このエントリーをはてなブックマークに追加
workplace_TheCo_main_1

帰属欲を刺激し、人の輪が増える
クラブ的コワーキングスペース

国際都市にふさわしい多様性の実現を追求

[The Co]Singapore

  • グローバルなコワーキングスペースを作る
  • 企業の進化に応じたサービスとブランドを提供する
  • コミュニティが自己増殖する存在へ

入居者たちが期待するのは、コワーキングスペースに宿る、コミュニティの自己増殖する力だ。

シンガポールにあるコワーキングスペース「The Co」には、現在約40社が入居している。その大半は、モバイル、ビッグデータ、ソーシャルメディアなどデジタル系のスタートアップだ。そのうちローカル企業は2割、海外企業が8割を占めるのは、国際都市シンガポールならでは。

なかには、米国で1000人規模の社員を抱える企業も含まれる。彼らの思惑はこうだ。社員数人を送り込みアジア拠点を作りたい、オフィス空間はごく小さくてかまわないが、インフラの質を落とすつもりはない。そこで「The Co」を探し当てるのだ。

会員企業は、来訪者対応や郵便物等の業務を一手に引きけるコンシェルジュサービスのほか、セクレタリーサービス、コピー、配送手配などの各種サービスを享受できる。だが「The Co」を他のコワーキングサービスと差別化しているポイントは別のところにある。

「それらをハード面のサービスとするなら、当社の付加価値となっているのは、ソフト面のサービスです」と語るのは、ジェネラルマネジャーのミシェル・ウー氏。すなわち、メジャーカンパニーと同等の機能を持つオフィス空間に、パワフルな「コミュニティ」の要素を導入することである。

「社名自体、Cowork、Collaboration 、Community、Connectに由来しています。会員たちに一つのコミュニティに帰属してもらうことで、コラボレーティブで活気があり、スタートアップを後押しできるスペースを作りたいのです」(ウー氏)

1〜20人規模の会社が入居可能で、現在は約40社が入居している。そのうち2割がローカル企業、8割が海外企業。

創業 : 2013年
収容人数 : 約250人
入居社数 : 約40社
http://jointhe.co/


見る者に劇的なインパクトを与える螺旋階段。入居者に同じ体験を共有してもらうことで、コミュニティに対する帰属意識を高めている。

  • 地下1階にある「The Cove」。クラブを思わせる落ち着いた照明のオープンラウンジでは、入居者どうしの交流が自然発生的に生まれる。

  • 3階コワーキングスペース全景。フリーアドレスのデスク、ミーティングスペースを備える。利用料金は1カ月700シンガポールドルから。

  • レジデントエリアにある各スタートアップ企業の占有部分。各企業とも自分たちのテイストに合わせてインテリアをアレンジしている。

コミュニティの成長と
増殖を促す空間

「The Co」内部は、コミュニティの成長、増殖を促すディテールに満ちている。4〜7階は各会員の占有スペースだが、それ以外のフロアは、どこにいても別の入居者の存在を身近に感じられるもの。3階のコワーキングスペースは、個別のブースとオープンなデスク、ミーティングスペースと多彩な展開。地下1階はオープンラウンジ「The Cove」だ。

「新規案件に際して新しい人材が必要になったとき、『The Cove』など公共のスペースを利用して、偶然隣り合った入居者に声をかける、というシーンがよく見られます。プロフェッショナル同士がオープンスペースで交流し、お互いに能力を補完できる相手を探しているのです」(ウー氏)

「コミュニティ・マネージャー」レイ・アー氏の存在も、コミュニティの成長に一役買っている。会員に対してどんな人材、どんな会社が入っているか頻繁にレビュー。同時に、彼らがどんなニーズを持っているのか吸い上げている。リクエストがあれば、直接声をかけて会員どうしをマッチングする。アー氏がコミュニティ作りの専門家となり、会員どうしのコラボレーションが生まれやすい空気を醸成しているわけだ。

「要するに、他のコワーキングスペースとの最大の違いは、『人』なのです。一度退去した会員ともネットワークを維持していますし、彼らがまた戻ってくることも頻繁にあります。ここに強いコミュニティがあり、みなが帰属意識を持っているからでしょう」(ウー氏)

コンサルティング(ワークスタイル):自社
インテリア設計:Ministry of Design, M Moser
建築設計:ipi7Workshop in conjunction with Ministry of Design

WORKSIGHT 06(2014.10)より


コワーキングスペース内の個別のブース。


各レジデントフロアは特定の色が割り当てられている。写真は「紫」のフロア。世界各国の言語で「紫」をあらわす言葉が各部屋名になっている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

RECOMMENDEDおすすめ記事

経営不振から人気No.1バスケットチームへの勝因とは?

[島田慎二]株式会社ASPE 代表取締役

部下を信用して任せ、インスパイアするリーダーであれ

[エリック・ガートン]ベイン・アンド・カンパニー シカゴオフィス パートナー

TOPPAGE