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プリンスホテルがチャレンジするビジネスラウンジとは?

オフィス、自宅に続く第3の仕事場

[品川プリンスホテル Nタワー ビジネスラウンジ Supported by Epson]港区, 東京, 日本

  • ホテルを第3の仕事場として提供する
  • ラウンジを「ビジネス特化型」に改装
  • 品川を起点に新しいビジネスが生まれる場に

スーツケースを持つビジネスマンの数に圧倒される。日本人だけでなく、外国人の姿も多い。まさしく「品川駅」の特徴と言える風景だ。

国際化の進む羽田空港に近く、また東海道新幹線全線が停車するという利便性から、「東京の玄関口」としての機能を期待される品川エリア。JR山手線の品川駅と田町駅の間に新駅を設置する計画などが進み、今後、より一層の発展が見込まれている。

その品川エリアを拠点とする高輪・品川エリアのプリンスホテルは、今後の変化に対応すべく、各ホテルの改装を進めてきた。その一環で2013年3月29日にリニューアルオープンを果たした「品川プリンスホテル Nタワー」は「ノースタワー」が全館改装されて誕生した新しいホテルだ。

「ノースタワーは以前よりビジネス利用のお客様が多かったこともあり、今回の改装は『ビジネス特化型』で進めることにしました」と品川プリンスホテルの山﨑令恵氏は語る。

アイデアの創出とコミュニケーションを促す場を作る

ビジネス特化型のホテルと聞くと、全館Wi-Fi対応、プリンタの設置……といったものが思い浮かぶが、品川プリンスホテルの考えは、その一歩先を進むものだった。

「ノートPCを持ち歩き、どこでも仕事ができるというワークスタイルの方が近年は増えてきています。そこで、オフィスと自宅に続く第3の場所、つまり『3rdプレイス』としての場をホテルとして提供すべきではないかと考えました」(山﨑氏)

現在のビジネスシーンで特に重要なキーワードとして『PRINCE TOKYO MICE CITY』をテーマに「コミュニケーション」「アイデアの創出」といったものを掲げる品川プリンスホテルであったが、ビジネスに特化したラウンジ運営の具体的なノウハウは持ち合わせていなかった。

そこで同社が声をかけたのが、渋谷ヒカリエの会員制ラウンジ「Creative Lounge MOV」(WORKSIGHT 03号に掲載)を手がけたコクヨファニチャーだった。

約7億円かけて全面改装されたNタワーのエントランス。最上階(17F)のビジネスラウンジは「Nタワーを選ぶ理由になり得る場」として期待されている。

ソフトドリンクを自由に飲めるドリンクバーや、ラウンジに備え付けられたプリンタなど、ビジネスを円滑に進めるための工夫に溢れている。

  • Communication Areaは、2〜3人の小規模なミーティングやちょっとした打ち合わせなどに使えるカジュアルなスペース。

  • 席と席との間がパーティションで仕切られたConcentrate Boothは、企画書の仕上げなど、集中して作業をしたい時などに使える。

  • さながら自宅のリビングのような居心地のSofa Area。一人で思索にふけるのもいいし、数人で会話を楽しむのもいい。

  • 脚を伸ばしてゆったりとくつろぐことができるソファ「リラクゼーションシート」も用意。思考を整理する際に使える。

様々なビジネスシーンに
対応できる場を用意

企画を担当したコクヨファニチャーの竹本佳嗣氏は「一人で企画を考えたり、何人かでディスカッションしたりと、日常で考え得るさまざまなビジネスシーンに対応できるラウンジのような場をご提案しました」と語る。

未来の品川の姿を読んだ品川プリンスホテルが企画・設計力のコクヨファニチャー、そしてプリンタなどの設備面でエプソンの協力を仰ぎ、「Business Lounge Supported by Epson」はこうして産声を上げたのだ。

ホテルの最上階である17階に位置するビジネスラウンジは、一見するとホテルらしからぬ装いの空間に仕上がっている。土地柄、出張客の多い客層からコクヨファニチャーが導き出したデザインコンセプトは「Business Voyage」(設計、デザインは同社の青木耕治氏が担当)。入口で出迎えてくれるスーツケースのオブジェや壁に使われた中国の瓦などが、利用客のビジネスという旅への旅情を高めてくれる。

利用客同士をつなげる専門スタッフを配置

全77席が配されたビジネスラウンジはソファエリアやコミュニケーションエリアなどのコーナーに分かれていて、利用客はその時の目的に応じて場所を使い分けることができる。ただし、ビジネスラウンジの「新しさ」は施設だけでは留まらない。

「従来のいわゆる『ビジネスセンター』ではスペースさえ用意しておけばあとはお客様ご自身で仕事を進めていただくことはできるのですが、今回は専門スタッフを常に2〜3名配置することにしました。お客様とお客様との間にスタッフが立つことで、人と人とのコミュニケーション、つまり『マッチング』を促そうとする仕組みです」(山﨑氏)

馴染みのバーのように、バーテンダーをハブとして利用客同士がつながるというイメージである。実際、一人で仕事をしていた利用客が他の利用客同士の会話に参加するというシーンも見られるようだ。

“品川”を基点に新しいビジネスを生み出す

さらには毎月第3火曜日の夜に交流会のイベントも行われるようになった。ホテル側は宿泊客が興味を持つであろう「世界の働き方」などといったセミナーを開き、アルコールとオードブルを振る舞う。そこで利用客同士が次第にコミュニケーションを始め、新たなビジネスが生まれていくといった試みだ。

「参加されたお客様からはご好評をいただいています。スタッフと交流したいとおっしゃってくださる方もいらっしゃって、私たちも手応えを感じています」(山﨑氏)

ビジネスラウンジを利用するには基本的にNタワーに宿泊していることが条件だが、ビジネスに特化した高い機能性と居心地の良さから「利用したい」という多くの声が上がっている。

「『品川のワークスペース』としてさらなる認知度の向上を図り、宿泊客を取り込んでいきたい」と山﨑氏は語る。品川を舞台に働く人、品川を経由して世界を飛び回る人がマッチングし、品川発のビジネスが誕生する日は、決して遠くない未来のことだろう。

WORKSIGHT 05(2013.12)より

12名用の会議室。結論を出すための「収束系」会議やプレゼンなどに使える。窓際には傍聴席もあるためゲストを呼ぶことも可能。

専門スタッフが常駐し、各スペースの案内や機材の使用法などを丁寧に教えてくれる。

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