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ローカルルーツの体現が
グローバル企業と対等な関係を築く

アジア市場専門のデジタルエージェンシー

[Asiance]Seoul, Republic of Korea

  • グローバル企業の信頼に足るパートナーになりたい
  • 自らのアイデンティティを明確にする
  • アジア・パートナーとして継続的な関係を結べる企業へ

歴史的建造物と革新的なデジタルイノベーション。空間のどこを切り取っても、新旧のコントラストが際立つオフィスだ。

韓国のデジタルエージェンシー「アジアンス」が入居するビルは、1930年代に建築された情緒溢れるもの。入居にあたって韓国に19年在住しているフランス人デザイナー、クリスティアン・バード氏にリノベーションを依頼。もとある情緒を十分に生かしながら、クリエイティブなオフィス空間に変貌させた。

オフィスに足を踏み入れた人間はまず天井に目を奪われることだろう。剥きだしになった木組みの骨格。リノベーションにより壁の断熱材を全て除去しながら、木材には釘や穴を残した。「これが一番手のかかる作業でした」とはキム・ボスォンCEOの弁だ。

「しかし、得られた結果にはとても満足しています。日本風に言うなら“わびさび”のあるオフィスでしょうか。私たちは、先端テクノロジーが持つ硬く冷たい印象と、感性的でオープンマインドな組織文化との対比を、一つの空間のなかで表現したかったのです」

20世紀初頭に立てられた旧新亜日報社の建物。1975年に地上4階に増築された。外壁は上海から運ばれた赤いレンガ製。
創業:2004年
売上高:400万ドル以上
顧客:世界250社以上
従業員数:40人(2013)
http://asiance.com

  • クリエイティブルーム。カジュアルな会議や食事に使われる。仕事の合間にフランス製のテーブルフットボールゲームに興じる社員も。

  • エントランス。社内の暖かみのある空間とは対照的にクールなイメージ。

  • 自然光がふんだんに差し込む執務エリア。四季の移り変わりを社内にたっぷり取り込むため、建物のリノベーションに際して大きな窓を新たに設けた。社員は働きながら自然を感じられる。

  • エントランス入ってすぐのロビーエリア。コーポレートカラーの赤がアクセントになっている。

積極的なグローバル展開をやめ
自らのローカリティを見つめ直す

同社のクライアントの95%はグローバル企業が占める。彼らのビジネスを韓国向けにローカライズし、デジタル戦略等、全方位的にマーケティングするのが主業務。ラコステ、ブルガリ、コーチ、グッチ。一流ブランドのeコマースサイトを構築し、韓国における対等なビジネスパートナーの地位を確立している。

かつては彼ら自身、グローバル展開を志向していた。しかし、それには韓国内に確固たる基盤が必要と判断。自らのローカリティを見直した。現在ではグローバル企業がアジアから世界にキャンペーンを打つ際の拠点として高い評価を受けるようになった。そのため、支社をグローバルに展開することも積極的に辞めたという。

海外からの訪問者があれば「ウェルカムセレモニーのように」(キム・ボスォン代表)オフィス内を歩くツーリングに連れ出すのが恒例だ。これは、オフィスそのものによって同社のアイデンティティを伝えようという思惑。国内デジタルエージェントの競争は熾烈を極めている。そのなかで同社を差別化するには、前述の「コントラスト」をクライアントに見せるのが早道だと彼らは考えている。

グローバル企業に伝統的なソウルらしさを見てもらう

エントランスからして印象的だ。外から見ればデジタルエージェントらしいクールなイメージ。しかし一歩オフィス内に足を踏み入れると、有機的な曲線を描く壁面と、天井の骨組みがオーガニックな風合いを醸しだす。

「初めて当社にいらしたお客さまのなかには、会社を間違えたのでは? と戸惑う方も少なくありません。ギャップに驚くのです。『まるでどっきりショーだ』と」(キム・ボスォン代表)

屋上からのビューにも海外からの訪問客は感嘆の声をあげるという。オフィスが位置するのはソウル中心部のチョンドン。韓国で初めて外国人が住みはじめた街であり、いまもカナダ領事館、アメリカ大使の官邸、ロシアの大使館などが密集している。ユニークなのは、ここが他のどの場所よりも伝統的な「ソウルらしさ」をたたえた街だということだ。

「当社のようなデジタルエージェンシーは、カンナム(漢江の南)のほうに多いのです。カンナムのビルはとても近代的でお洒落なことでも知られていますが、悪くいえばありきたりであり、面白みがありません。でも、チョンドンには昔の王宮があり、古きよきソウルの姿を今に残しています。こうしたソウルの真の魅力をグローバル企業のみなさんに伝えるのも、韓国におけるローカルパートナーである当社の義務だと考えています。そうして『韓国にまた来たい』と思っていただいたほうが、仕事もスムーズに運びますしね」(キム・ボスォン代表)

コンサルティング(ワークスタイル):自社
インテリア設計:Parafe

WORKSIGHT 06(2014.10)より


露わになった木組みの骨格が暖かみを感じさせるミーティングルーム。照明はドイツの照明デザイナー、インゴ・マウラーによるもの。


CEO
キム・ボスォン
Bosun Kim


屋上からはチョンドンの歴史的建造物を一望できる。


同社が手がけた仕事が受賞した際の盾。写真は韓国内の賞だが、グローバルでもいくつも受賞している。

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